従来の放流管設計では、放流管周辺コンクリートが存在しない状態、本体設計では放流管が存在しない状態で、それぞれ独立して設計されています。しかし、実態としては、放流管は周辺コンクリートに拘束されており両者が荷重を分担しています(協働状態)。また、放流管周辺に発生する引張力に対して、相当の割合でコンクリート自身が抵抗しています。
以上を踏まえ、「1.放流管と放流管周辺のコンクリートの協働状態を考慮する」、「2.放流管周辺コンクリートに限定して、引張軟化特性を考慮した強度を見込む」の両者を設計条件に加えることにより、ダムにおいて構造上重要な部分のコンクリート打設の施工向上および放流管補剛材、放流管周辺構造鉄筋の合理化を図りました。

放流管検討位置図(紫着色部:検討放流管)

放流設備におけるコスト縮減事例