ダムの再開発として貯水容量を増大させる代表的な方法は、既設ダムを嵩上げすることです。これによる機能向上は、コスト縮減等の観点からも有効な手段であり、嵩上げによって得られた有効容量を治水あるいは利水に利用できます。嵩上げ工事は、既存ダムの機能を維持しながらの工事となり、新旧堤体を適切につなぎ合わせることが必要であるなど、新規にダムを建造する場合とは異なった技術的な課題があります。ダム技術センターでは、ダム嵩上げプロジェクトに対して、設計、施工計画、施工方法に至るまで、専門的な立場から技術協力を行っています。
平成18年に完成した長崎県佐世保市水道局の下の原ダム再開発も、嵩上げの事例の一つです。下の原ダムの再開発に当おいて、新旧堤体の一体化、既設ダムの安全確保(貯水位を維持しながら施工)等の課題があり、ダム技術センターでは、これらの課題を含めて、工事の進捗に伴う技術的課題に対して助言を行いました。
下の原ダム(標準断面図)
下の原ダムの再開発
嵩上げ工事前(下の原ダム)
嵩上げ工事後(下の原ダム)