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ダムニュースNo.270(平成18年5月)

本河内高部ダム(長崎水害緊急ダム事業)試験湛水開始

−長崎県−

 長崎県と長崎市が建設を進めている本河内高部ダムにおいて,平成18年3月22日より試験湛水を開始しました。

 長崎水害緊急ダム事業の一翼を担う本河内高部ダムは,明治24年に完成した日本最古の水道専用ダムの再開発で,旧堤体の上流約50m地点に新たに建設された堤高28.2m,堤頂長158.0m,総貯水容量496,000m3の重力式コンクリートダムです。

 平成17年3月の本体コンクリート打設完了後は,取水放流設備,管理設備,貯水池対策工等の諸工事を進めて参りました。ダム概成後の平成18年2月18日には,地元小学校の生徒,保護者約120名を集め現場見学会を催しました。長崎大水害時の被災状況やダムの役割,構造の説明を聞いたあと,監査廊内を見学するなど,普段では味わうことのできない体験にみな目を輝かせ,非常に熱心な見学会となりました。

 また,この本河内高部ダムは,その近代土木遺産としての歴史的価値が高いことから「歴史的ダム保全事業」に指定されています。このため,旧堤体のほとんどをそのままの形で残す計画とし,工事中もその保存に多くの工夫を要しました。

 その一つとして,貯水池内にあった長崎市指定有形文化財である「まぼろしの石橋」を,試験湛水開始にあたり掘り起こしました。これは,本体工事に伴う工事用車両の振動等から石橋を保護するため,仮設盛土を行っていたものです。

 旧ダムの完成とともに100 年以上も湖底に沈んでいた「まぼろしの石橋」は大渇水時にはその姿を現していましたが,今回新ダムが完成すると殆ど顔を出すことがなくなるものと思われます。近くで目にすることができる最後の機会となるため,長崎市教育委員会の学芸員による一般市民の方々への見学説明会では,マスコミを含め約150名の方が訪れるなど,改めてその歴史に対する関心の高さをうかがい知ることができました。

 今後はダムの安全確認を行いながら試験湛水を進めるとともに,周辺整備にあたっては,既設ダムが有する歴史と今後新ダムが作るであろう新たな歴史を後世に伝えるべく,ダム周辺が地域住民にとって身近に訪れることができる憩いの場となるよう思いを込めて事業を進めて参ります。

            (長崎土木事務所ダム建設室)

地元小学校の見学会
(新堤体天端の管理所付近にて)

地元小学校の見学会
(旧堤体下流面の管理用階段にて)

「まぼろしの石橋」現場見学会の状況

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